代表・個人質問

代表質問

2016年3月8日

議事録

平成28年3月栗東市議会定例会会議録
平成28年3月8日(火曜日)再開

再開 午後 1時30分
○議長(藤田啓仁君)
 それでは再開いたします。
 午前中に引き続きまして、代表質問を行います。
 次に栗東市民ネットワークの代表質問を許します。
 13番 田村隆光議員。
○13番(田村隆光君)登壇
 それでは、栗東市民ネットワークを代表して、代表質問をいたします。
 さて、本題に入る前に、市長は、施政方針の冒頭「はじめに」のところで、北里大学の大村教授のお言葉を引用され、「行政に携わる者も謙虚さを忘れず、市民の皆さんのために、不断の努力と誠実に感謝の心を持って市政運営をしていく」との決意を述べられています。
 私も、市議会議員として活動するうえで、人を束ね、人を率い、圧倒的なパワーで医療の進歩と新しい国づくりに貢献された、北里大学の学祖であられる北里柴三郎博士の言葉を座右の銘としており、「人に熱と誠があれば何事も達成する。世の中は決して行き詰まらぬ。もし行き詰まったとしたら、それは人に熱と誠がないからだ。」との意味を込めて言われた「熱をもて、誠をもて」という言葉を胸に刻んでいます。しかし、日々活動する中でまだまだ謙虚さが足りず、ついつい熱が上がり過ぎてしまうことを反省している現状がありますが、本日、市長の引用された、北里大学の大村先生のお言葉もかみしめながら、今回の北里大学とのつながりを契機に、日々精進していきたいと思います。
 それでは、通告に従い、順次質問いたします。
 最初に、「はじめに」ついて質問いたします。
 施政方針では、国内の経済状況報告について、内閣府が1月20日に発表した月例経済報告を紹介され、「雇用情勢は改善、消費者物価は緩やかに上昇」としているとの政府見解を示されています。確かに、総務省の労働力調査から、完全失業率は2012年に4.3%だったのが、2015年には3.3%に下がり、安倍首相も景気回復を自慢する根拠としています。しかし、その実態は、非正規労働者が2012年に1,813万人に対し、2015年の調査では、2,010万人に増えています。
 一方、正規社員は3,340万人から40万人も減っており、実際は、雇用の質は低下していると言わざるを得ませんし、正規と非正規の賃金格差は、年齢が上がるごとに広がっている現実もあります。
 また、本年2月15日のロイター通信は、「縮む個人消費・官製春闘成果実らず」という見出しで、昨年の個人消費が実質国内総生産ベースで306.5兆円と、安倍晋三内閣が発足した2012年の308兆円から1.5兆円縮小したと発表しました。加えて、このことは、3年連続で政府が賃上げ増を働きかけたが、消費活性化にはつながっていない。原油安効果などで名目GDPは増加したものの、企業の内部留保が積み上がるだけで、消費増に波及していない。足元の市場で動揺が広がっており、先行きの不透明感が高まっており、2013年当時、「プチぜいたく」と呼ばれた消費トレンドと、最近の状況は様相が違うとしており、政府見解とは違う見方を発表しています。さらには、個人消費の大きな鍵を握る賃上げについては、今、まさに民間企業は春闘の時期を迎えていますが、今回は、安倍首相が先頭になって経営側に賃上げを迫る「官製春闘」の3年目にもなります。
 過去2年の春闘結果を、経団連と厚生労働省が調査結果を発表していますが、全く違っています。それは、経団連が調査した対象は、全て東証一部上場、従業員500人以上の企業250社への調査であり、ほとんどの対象者が正規社員でした。
 一方、厚生労働省の調査対象は、国内企業の約9割を占める中小企業としたところです。結果は、前者が賃上げ率アップを実感、後者が賃上げ率ダウンを実感という結果です。当然、安倍政権は、都合のよい経団連の調査結果を使っています。安倍政権の本音はわかりませんが、働く者にとって利益の再配分は望むところですが、調査の方法であったり、導かれた数値をどの角度から見るかによって評価は変わってしまいますので、データの根拠をしっかりと見極める能力が重要となります。
 そこで質問ですが、市長の実感として、栗東市民の皆さんの雇用実態や賃金実態、それに伴う消費実態をどう見ておられますか。または把握されていますか。
 次に、栗東市は、栗東市総合戦略で、栗東市人口ビジョンに盛り込まれた今後目指すべき将来像を具現化するとされています。このことを、市長の基本的な市政運営のスタンスである「全員野球」でいえば、どのようなイメージになるのかお示しください。
 次に、「経済に安心を」について、幾つか質問いたします。
 まず、「トップセールスとリーダーシップで地域経済に元気を創出していく」とのことですが、市長は、自分をどのようなタイプのリーダーだと自己評価されていますか。また、昨年から本日まで行われてきたトップセールスにおける成果と、今後の課題等ありましたらお聞かせください。
 次に、企業誘致についてお伺いしますが、企業誘致と地元雇用のバランスがなかなかうまくいってないように思われますが、LEJ社の誘致以降、誘致した全企業における市内在住者の雇用実態をお示しください。また、今後、誘致する企業に対して、新規常用雇用を誘致の条件に組み込むことについてのお考えをお示しください。
 続いて、商工業関連への質問ですが、先日、商工振興ビジョンロードマップが議会に提示され、その内容の説明をいただき、栗東市のひと・しごと、そして経済が少しずつ動き出す気配を感じることができる内容であり、わくわく感が出てきたと申しましたが、やほり、前が見えることはいいことです。どんなに安全なトンネルだと説明を受けても、出口の明かりが見えないうちは不安でたまりません。しかし、はるか向こうにでも明かりが見えると、時間を実感できますし希望が出てきます。そんな意味でも、ロードマップの進捗も、市長や担当職員だけが見えるのではなく、市民の皆さんにも見えるようにすることで、同じ電車に乗っていることを、より実感できるのではないかと思います。
 その中で、空き店舗を活用したチャレンジショップと消費者ニーズ調査を実施するとのことですが、まず、チャレジショップの内容について、もう少し詳しく説明を願いますとともに、ニーズ調査の件では、市民アンケートは一応実施済みだが、平成28年度半ばから平成31年度までの約3年半をかけて、「住民意識を具体的に把握するために、どのような調査や懇談会を実施するのか検討する」としていますが、いささか調査や検討に時間をかけ過ぎて、まさにトンネルの出口が見えないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、高齢者の就労についてお伺いいたします。
 現在、少子高齢社会が進む中、生涯現役社会を目指した取り組みが各所で進められています。それは、シニアの方にも「支えられる側」から「支える側」に回ってもらい、社会の担い手として活躍してほしいという期待が込められており、実際、生涯現役でありたいと積極的に社会に参加し、また、働き続けたいと思うシニアの方も多い一方で、シニアの就業率はそれほどには高くなく、60歳代では、年々上昇傾向にあるものの、男性でも65歳から69歳で5割、70歳以上では2割にとどまるとの調査結果があります。
 市では、今後もシルバー人材センターへの支援を継続するとしています。シルバー人材センターには、請負・委託を主とするイメージが強いのですが、滋賀県のように、シルバー人材センターの業務に人材派遣を組み入れ、着実に実績を伸ばし、派遣事業契約高では全国一となっている自治体もあります。このように、シルバー人材センターの機能を強化することは重要だとは思いますが、シニアと仕事を結び付ける人材マッチングは、職種拡大だけでなく、就労エリアの拡大も含め重要なことであり、それをシルバー人材センターだけに頼るのではなく、民間派遣会社とのマッチングや高齢者の起業支援などに、自治体自らも積極的に関与することも重要だと考えますが、今後の高齢者就労について、市の考えをお示しください。
 次に、農業関連についての質問ですが、当市においても、地元産野菜などの生産支援と地産地消促進、そして食育の観点からも、積極的活用を行うことは大変重要なことだと思います。
 一方、担い手がなく、また高齢化が進むことで、農地を宅地開発する事例や、国策としての農地集積化により、営農組合等にお任せする事例が近年増えています。
 当市は現在、近畿圏のベッドタウンとして、徐々に都市化が進む状況にありますが、その特徴を活かす中では、宅地開発等の開発も土地の利活用の推進ということでは理解できるのですが、地元産野菜などの積極的生産支援や、積極的活用という観点から見たら、若干矛盾も見えてきます。そのような状況の中で、企業の退職を機に農業デビューとして、休耕地の「貸し農園」の拡大を望む声も多くあります。殺伐とした時代において、ご近所さんや気の合う仲間と、農園や農家の方を媒体に、ふれあいや協働意識の高揚、そして何といっても、農業を身近に感じ、自産自消していく楽しさを実感し、生きる力を育むことも重要だと考えますが、休耕地の有効活用について、お考えをお示しください。
 また、林業において、このたび地元の間伐材を活用し、用紙をつくり、広報紙等に活用していくとのことですが、紙の生産の規模と費用対効果、また、商業ベースとの関係、そして山林保全にどの程度効果が出るのかをお示しください。
 続きまして、観光・地域資源についてお尋ねしますが、まず、ホースパークプロジェクトについてお伺いいたします。
 「馬のまち」と言われて久しい当市ですが、地域資源としての馬を活用した取り組みは、今ひとつ積極性に欠けていましたが、今回、総合戦略の中にしっかりと明記されました。
 そのような中、昨年9月に走井地区に「ポニーキッズ」という、放課後デイサービスの事業を主に展開する民間施設がオープンしましたが、今後、障がい者乗馬やホースセラピーを本格的にやっていかれると思います。
 栗東市としても、馬を地域資源として活用すべく「ホースパークプロジェクト」を推進されるとのことですが、ご承知のとおり、当市にはトレセンがありますので、馬に関しては、施設も人もノウハウも全てそろっています。あとは、どう活かすかといったアイデアと情熱だけだと思いますが、この構想の一端をお示しください。
 次に、シティセールスについては、マスコットキャラクターもイメージ戦略としては重要ですが、平成36年に、43年ぶりにびわこ国体が開催予定ですが、県は、昨年6月に、第1次の競技会場の選定として5会場を決定。今年度末に第2次選定の内定が出されるとのことです。国体は現在37の正式競技があり、2017年度内には全ての競技会場を決める予定とのことですが、この国体も、栗東市をPRするまたとないチャンスだと思いますが、競技会場の誘致や、その他びわこ国体を活用したシティセールスの現況をお示しください。
 次に、新たな財源確保とまちのPRを目的とする、ふるさと応援寄附金制度も、お礼に送られる和牛や魚介類などの豪華な特典が話題となり、いまやその規模が急拡大、ブームともいうべき盛り上がりの中で、年間の市民税を上回る、億単位の収入をあげる自治体も次々とあらわれています。
 一方で、特典内容の高額化がエスカレートし、自治体間で人気とり競争、税収の奪い合いが生じるなど、行き過ぎと見える面も出てきたとの評価もあります。ちなみに、余談ですが、私の生まれ故郷の宮崎県都城市は、寄附金総額が年間35億円と、日本一の寄附金額を誇っています。やはり一番の人気は、和牛と焼酎らしいです。
 この制度に対する評価では、「ふるさと納税制度そのものがまちの魅力を引き上げてくれた」と、高く評価する自治体もあれば、この制度で寄附をした人は、住む場所での税金が控除されるため、「結果的に税収が減った」と嘆く自治体もあらわれています。例えば、静岡県富士市の場合は、2014年に入ってきた寄附金は108万円、それに対し、富士市民が他の町に寄附したことで税金の控除額309万円が出ていき、まちは201万円の赤字に陥ったといいます。つまり、この制度がいいか悪いかで評論しているうちに、うかうかすると自分のまちの税金が減ってしまうというシステムでもありますので、これは前を向いていくしかありません。
 栗東市でも、寄附金納付の簡略化や事業PR、そしてポータルサイトの充実など、寄附金増の目標を掲げられていますが、例えば、ホースパークプロジェクトなどの独自の事業に事業資金の目標額を設定し、その事業に対して、クラウドファンディング的な寄附を募るなど、お礼の品を売りにするだけでなく、事業そのものを売りにした寄附のメニューづくりも重要かと思いますが、市でも事業PRなど方針に掲げていますが、その中身についてお考えをお聞かせいただきたい。
 次に、「子育てに安心を」について、幾つか質問いたします。
 人口ビジョンや市民アンケートの結果から、20代の流入人口は、この35年間で増加傾向であるのに対して、35歳から44歳までの流出超過傾向はより強まっており、この子育て世代の流出は、当然のことながらゼロ歳から19歳の流出とつながっていると分析されています。
 人口の流入・流出には、「足による投票」という理論がありますが、分権化が進み、さまざまな地域で多様な公共サービスの組み合わせが提供されることになると、個人は居住選択を通じた「足による投票」により、自らの価値観に応じた公共サービスの配分を求めて移住することができるようになります。このことは、自治体がお互いに「住みよさ」を競い切瑳琢磨することを促すとともに、逆に地域住民のニーズや価値観に沿わない政策は、住民の流出を促進することにもなりますから、どの自治体でも流出に歯止めをかける施策には敏感ですし、特に子育て世代の施策をはじめとする福祉施策では、この「足による投票」の現象があらわれますので侮れません。
 市では、30歳代、40歳代の流出を抑制することを目標とされており、また、総合戦略では、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」と明記されていますが、結婚から子育てまでの一連の流れを維持するには、やはり安定した就労環境と居住環境の整備が重要であると考えます。その中でも、格差社会が広がる中、まずは住居の確保といった観点で見ると、安価で住みやすい住環境の提供といった施策が必要であり、それには市営住宅等の整備も重要と考えます。
 総合戦略にも「生活スタイルに合った居住ニーズへの対応支援」とありますが、このことは、流出の抑制だけでなく、若者の流入促進にもつながると思いますが、市営住宅等を若者向けにリニューアルし、提供していくことも想定にあると考えてよろしいのでしょうか。
 また、人口の流出の時期でいえば、高校卒業時があります。
 栗東には、県立聾話学校の高等部を含め3つの高校がありますが、高校を卒業後、就職したり専門学校や大学に進学など、最初の流出というものが始まり、その多くが就職先や学校などの立地しているところに居住するようになります。それが県内ならまだしも、県外となると将来的な居住地が決まることも考えられますので、高校生を対象に、卒業後の居住地に関するアンケート調査等を実施している自治体もあり、将来的なUターンやIターン施策の参考にされているようですが、当市の状況はいかがでしょうか。
 また、若者の流入の面で見ると、専門学校を含め、各種学校等の誘致も重要な政策ではないかと考えますが、見解をお聞かせください。
 また、今、社会的にも大きな問題なのが子どもの虐待の問題であり、虐待による死亡事例は年間50件を超え、1週間に1人の子どもが命を落としているといいます。今年に入り異常なほど子どもの虐待死、虐待事件が発生しており、毎日のニュースの中で流されています。その中には、人間として許しがたい卑劣な事案もあり、胸が詰まる思いですが、中には、母親が児童相談所や市に子育ての悩みを相談していたといった事例もあり、本当に児童相談所や市が母親の悩みを親身に聞き、そのSOSに適切に対応できていたのだろうか、などと考えてしまうこともありますし、逆に、児童相談所や市だけに任せておいてよいのか、地域社会でできることもあったのではといった思いにもなります。
 当市も児童虐待防止推進月間の11月には、オレンジリボンキャンペーンの取り組みをされ、啓蒙活動にも力をいただいておりますが、虐待はほとんどが家庭内の密室で起こることでもあり、その発見にどうしても時間がかかってしまうのですが、早期発見と防止対策のために、個々人を含め、地域社会ができることはどのようなことだとお考えですか。
 次に、保育士等の確保の問題ですが、福祉施策に関する求人情報等を見ますと、当市では、適応指導教室支援員や児童厚生員、家庭児童相談員、発達相談員、さらには学童保育所常勤指導員など多くの求人を出していますが、確保の実態と需要の状況をお伺いいたします。また、確保できた人材をできるだけ労働条件を含め処遇等を理由とした離職につながらないようにすべきだと考えますが、離職防止のための対応をお聞かせください。
 次に、教育基盤の整備では、来年度も、順次、教育施設の改修・修繕等を実施していくとのことですが、校舎の耐震化は計画的に実施されてきました。
 また、文部科学省では、近年の大規模地震において、天井材や照明器具等の非構造部材の被害が発生していることを踏まえ、地震による落下物や転倒物から子どもたちを守るために、「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」を作成し、各学校設置者に対して周知を図ってきたことで、体育館等の非構造部材の耐震対策は進んできたと思います。しかし、栗東市における小学校や中学校をはじめ、子どもたちが利用する公共施設の窓ガラスの耐震や竜巻等への対応として、窓ガラスの落下防止や破損防止、そして飛散防止などへの対応について、対応済みの施設がどれほどあり、未対応のところがどれだけあるのか、お示しいただきますとともに、このことは文部科学省からの指導もありますので、今後の対応についてお伺いいたします。
 次に、「福祉・健康に安心を」について、幾つか質問いたします。
 内閣府の平成27年度版高齢社会白書によると、国内の65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,300万人となり、高齢化率も26%と、過去最高になったと報告されています。総人口に占める割合である高齢化率の分類は、7%から14%が高齢化社会、14%から21%が高齢社会、そして21%以上が超高齢社会に分類されますので、まさに今世界一の長寿の国であり、超高齢社会となっています。また、日本は高齢化のスピードも世界一早く、高齢化社会から高齢社会に至るまでの期間、つまり65歳以上の人口が7%から14%になるまでの期間を、日本は1970年から1994年までの24年間で達成しました。ちなみに、フランスでは1865年に7%に達していますが、14%になったのは114年後の1979年、スウェーデンでは1890年から1972年までの82年間、そして、ドイツでも1930年から1972年の42年間を要しているので、日本のスピードがいかに速いかがわかります。
 前述の実態を栗東市に当てはめた場合、国の高齢化率と比較した場合は、当市は15%ですから低いわけですが、高齢化率の分類で言えば、既に栗東市も「化」が外れ「高齢社会」に到達しています。また、20年後に21%に達するとの予測ですが、これも国との比較では低いですが、同等の超高齢社会の域にあることは間違いありません。
 日本は、平均寿命、高齢化率、高齢化のスピードという3点で、世界各国がまだ経験したことのない高齢社会を歩んでいますし、高齢化に伴い、認知症等を患う高齢者が増え、高齢者向けの医療・介護サービス、さらには、バリアフリーやユニバーサルデザインによるまちづくりなどが、自治体の政策の中で大きなウエイトを占めてきています。そのような状況もあり、昨年から、市は、民間へ特別養護老人ホームや地域密着型サービス施設の整備事業者を募集するとともに、来年度、葉山東学区に圏域地域包括支援センターの1カ所目を設置し、高齢者の在宅での生活を支援することとしていますが、まず、民間事業者の応募実態と需要との関係について、そして、今後の計画についてお伺いいたします。
 また、施設等の充実はありがたいのですが、介護現場の過酷な就労実態もあり、高ストレスな職場となっていることも、人材確保に困難を極めている現状があると考察します。それは、支える人を必要とする人が増える現状の中で、支える人材が不足しているからに他なりません。
 高齢者福祉だけではありませんが、まさに支える人をどう増やし維持していくのか。これも処遇の改善を含め、人材確保についての計画等がありましたらお示しください。
 次に、障がい者施策について質問いたします。
 まず、当市では、「障害者」の「害」という漢字をひらがなに変えて使用していますが、法律上はまだ全て漢字で表記していますので、この中では、法律との整合を図るために「障害者」と漢字表記させていただくことをご了承ください。
 さて、本年4月に新たな障害者雇用促進法が施行されますが、改正後は、精神障害者も障害者枠に入り、よって、法定雇用率2%も、一定の経過措置はありますが引き上げになるとのことです。また、障害者の差別禁止も強化され、雇用分野において、障がいを理由とする差別的な扱いの禁止が、より明確になるとのことです。加えて、納付金制度も改正され、常時100人以上を雇用している企業が障害者の雇用率が未達成の場合、その不足人数に応じて、一人当たり月5万円を雇用者支援機構に納付することになっていましたが、改正法では、逆に法定雇用率を上回った企業には、その人数に応じて月2.7万円が支給されることになり、100人以下の企業でも適用となるとのことです。
 そこで質問ですが、当市の障害者雇用の実態と法改正による影響等をお示しください。
 また、「障害者の自立支援」という言葉がよく使われますが、それらにはほとんど、給付金というものが付いています。これは、私の知る兵庫県の社会福祉法人プロップ・ステーションの理事長である竹中ナミさんという方がいらっしゃいますが、その方の発言なのですが、「障がいのある人は働けないと思われていたり、障がいの重い人に働けとは言ってはいけないのではないかという意識があったり、まずはかわいそう、気の毒と思われている。かわいそうな人をかわいそうでない状況にするプロセスこそ福祉。意識と制度の面で弱者でなくしていこうというプロセスを踏んでいかないといけない。」と言われています。
 障がいのある方でも多様な能力を持っておられる方も多くおられますし、たくさんの人が就労の機会を待っています。しかし、雇用の場があったとしても、職場までの移動に困難を極める方もいますので、せっかくの雇用機会も、通勤できないということで雇用機会をなくしてしまい、その能力も発揮することができない事例もあります。このことは、当市が実施した第4期栗東市障がい福祉計画を策定する際に実施したアンケートでも確認することができます。そして、企業は、雇用率を達成することで評価されますが、これからは、障がいのある方に、雇用という形の通勤を伴う、仕事の場の提供だけではなく、その方の能力に応じた、仕事の発注という形で在宅ワークを支援することも、企業等にインセンティブを与えることも、重要なことではないかと考えます。
 そこで、質問ですが、自治体として障害者の自立支援、とりわけ就労に関して、自治体として作業所と企業の仕事発注のマッチング、企業と障害者とのマッチングなどの対応の実態をお聞かせください。
 次に、生活困窮者自立支援対策については、市としても、対応措置として各種相談や就労支援等にも取り組んでおられますが、生活困窮に陥る場合、幾つかの原因が絡み合っている場合が多いと聞きます。一人ひとりの状況に応じ、自立に向けた支援を設計する場合、支援員の十分な専門性も問われると思います。
 当市の支援員の体制の現状と課題についてお伺いいたします。
 また、子どもの貧困が大きな社会問題になっています。子どもの貧困率が過去最大の16.3%に達する時代において、経済的に苦しい家庭の子どもたちが教育の機会を失われないよう、国としても施策の強化を検討されていますが、せっかく高校に進学しても、経済的理由で不登校や中退を余儀なくされるケースも多くあるとのことです。
 高校生の教育課程等については、市の範疇ではないとは思いますが、貧困は学歴との関係も強いことからも、小学生や中学生の学習支援のみならず、市内の高校生が中退等のような状況に陥らないようにするために、学習支援や進路相談など高校生にまで拡大し、進学後も継続していくことが必要だと思います。また、そういった活動が社会的なニーズとしても高まっています。当市の学習支援の実態と市の考えをお聞かせください。
 次に、「暮らしに安心を」について、幾つか質問いたします。
 まず、災害対応についてですが、災害対策本部や災害時に各所で必要となる機材の確保や、広域避難所となる各小学校に、災害用トイレや簡易井戸を設置していくとのことですが、災害時は情報の混乱が危惧されますし、従来の通信インフラの大部分が断絶した環境でも、情報の収集や通信は重要なことです。非常時にも安定した発信が可能なシステムの構築を目指し、各拠点にWi-Fi環境等の整備など、スムーズな情報の伝達が確保されるような対策も重要と考えます。現時点において、各拠点間の連絡など、どのような情報システムで対応されようとしておられるのかお伺いいたします。
 次に、交通インフラ整備の件で質問いたします。
 まずは、JR栗東駅に新快速の停車の要望が依然としてあります。
 また、栗東駅周辺まちづくり検討会議の中でも、都度、話題にのぼっています。
 これは、2013年のデータですが、滋賀県内において、1日の乗降客数が1番多い駅は、南草津駅で2万8,006人、2番目が草津駅2万7,966人です。そして、JR琵琶湖線で、新快速が停車しない大津から彦根までの各駅の中で、一番乗降客数が多いのは、瀬田駅の1万7,757人で、近江八幡駅よりも多く、そして栗東市が2位の1万3,151人で、新快速の停車する能登川駅や彦根駅よりも多い状況にあります。しかし、現状、この管内の新快速停車駅数や乗降客数からいっても、栗東市に新快速を停車させることは厳しい状況ではあろうと思いますが、栗東駅を利用される方は、「せめて朝夕の通勤通学の時間帯の数本でも」といった思いもありますが、実際、JR西日本社と、この件についての協議の進捗はどうなっているのかお伺いいたします。
 また、交通事故防止と危険箇所整備の関連では、全国的にも近年発生している事故ですが、市内各地に存在する柵やふたのない側溝や水路への転落事故があります。数年前に栗東市も、市民が水路へ転落し死亡した事故により、損害賠償も発生しましたし、昨年末にも1件死亡事故がありました。このことは、市内のあちこちに側溝や水路など多くありますが、比較的、水量があり、幅も深さも一定程度あるにもかかわらず、ガードレールや柵がなく、当然ふたもない状況で、夜間で暗くて見えなかったり、洪水等で道路が冠水したときなど、道路との境界がわからず転落する危険性があります。特に、子どもや高齢者、いわゆる交通弱者への安全確保の観点からも、非常に危険な状態といえます。マナーアップも当然重要なことではありますが、悲惨な交通事故を未然に防ぐためにも、危険箇所の解消は、より優先されるべきだと思います。
 また、事故の状況によっては国家賠償法の適用により、市に損害賠償が課せられる場合もありますので、しっかりとした対応が必要だと考えますが、市のお考えをお示しください。
 次に、「行政に安心を」について、幾つか質問いたします。
 まず、市の職員の皆さんにおかれましては、限られた財源の中で、また、多様化する価値観の中で、日々市民の福祉の向上のためにご尽力をいただいていることに、心から感謝いたします。
 さて、施政方針では、行政の職員として求められる能力や行政運営のうえでの行動面で、目指すべき職員像が描かれていますが、職員の政策立案能力も重要な行政職員としての能力だと思います。その政策立案については、当市にも職員提案制度があると思いますが、職員の若さや現場ならではの柔軟な発想、斬新なアイデア、ちょっとしたひらめきを活かしていくことも行政力アップには重要なことだと思いますが、ここ数年の職員による事業や政策に関して、職員提案制度を使った提案の数と事務改善など採用となった事例をお示しください。
 また、職員の意識が向上し、提案が活発になるには、自由に提案ができるような雰囲気が醸成されるように、環境整備することが重要だと考えますが、市はどのような努力をされておりますか。
 さて、今回の施政方針の中では、当市の再生可能エネルギーなど、市のエネルギー対策については触れられていませんが、本年4月から、7.5兆円の新市場が生まれるとされる「電力小売全面自由化」が始まりますが、当市の庁舎や公共施設の電力の確保、さらには当市としてのエネルギー政策についてお伺いいたします。
 また、今回始まる新制度は、ご当地電力として、自治体が発電会社と交渉し、地元の電気料金を引き下げたり、自治体自らが再生可能エネルギーの発電所を誘致するなどして、電力の確保はもとより、雇用創出や地域振興につなげるといった事案も報告されています。さらに、今回の自由化において、自治体では、市民等を対象に、4月からの自由化の内容や電気の購入先を選ぶ際のポイントや留意点などについて、説明会を開催する自治体もありますが、当市の対応をお伺いいたします。
 次に、「教育方針」について、幾つか質問いたします。
 まず、「はじめに」の中で、不登校等の問題行動への対応が増加し、複雑化しているとの表現がありますが、栗東市の実態と課題、そして対応内容についてお間かせください。
 次に、今、不登校やひきこもりの子どもたちの居場所や登校の場所として、従来の小・中学校や特別支援学校ではなく、フリースクールやオルタナティブスクールなどといった施設などへの需要が高まっており、国会においても、超党派の議連で「小・中学校以外で教育を受けた場合でも義務教育の修了を認める」といった法整備が検討されていると聞きます。
 これは、やはり従来の学校には自分の居場所がなく、学校が苦痛で行けないけれど、フリースクールやオルタナティブスクールなどには、自分の居場所や学ぶ場所があると感じる子どもたちや保護者の思いが高まっていることのあかしだと思いますが、当市におけるフリースクール等の実態や、市としての対応や考え方をお聞かせください。
 次に、インクルーシブ教育についてお伺いいたします。
 障害者に対する教育機会や環境の整備については、今日まで時代背景とともに大きく移り変わってきましたが、戦後、障害者教育は、障がいのあるなし、障がいの種類や程度によって、地域の通常学級と障害児学級、障害児学校といった、その児童生徒個々に応じた進路に分けられ、障がいのある児童は、集団とは切り離した分離教育が進み、障がいのある児童とそうでない児童が分断されるといった問題も出てきました。ところが、2014年に日本が批准した障害者権利条約の第24条、教育の2で「障がいのある子どもには、通常学級という集団の中で個別的な支援を受けること」といった意味の条文がうたわれており、すなわち、セグレーション(分離教育)からインクルージョン(包括教育)、もっとわかりやすく言えば、「分ける教育」から「分けない教育」への転換を図らなければならないとしています。また、インクルーシブというと、障がいのある方ばかりに焦点が当たりますが、実は、障がいのある方だけではなく、いわゆるマイノリティー、少数派の方全てに当てはまる言葉でありますので、生活困窮者の方とか、外国籍の方でありますとか、人権にも大きくかかわってくる言葉です。そういう方々をしっかりとみんなの中に包み込んでいこうという発想が、インクルーシブというようなことであります。しかし、インクルーシブ教育を推進するうえでは、まだまだ多くの課題があることも事実であり、その課題の解決には、市長はもとより、市の教育委員会、教育長や小・中学校の管理職、教職員、保護者、さらには地域住民、企業に対して、インクルーシブ教育への理解と実現に向けての協力、それと、そういった社会をつくっていくんだといった気概が重要です。
 国では「一億総活躍」、そして、滋賀県知事においては「全ての人に居場所と出番を」といった、共生社会を標榜されています。
 そこで、教育長が思い描いておられるインクルーシブ社会やインクルーシブ教育とは、どのような姿なのかをお聞かせください。
 次に、最近、慶應義塾大学の准教授の中室牧子さんの著書「学力の経済学」という本が15万部を超すベストセラーになっていますが、その本のキーワードは「早期教育(就学前教育)」、と「非認知スキル(学習意欲や忍耐強さ、やり抜く力等の能力)」、そして、「親の関与」というものです。そのうち、早期教育と非認知スキルについては、今回の当市の教育方針のはじめにもうたわれており、3つの重要な柱にもしっかりと盛り込まれています。
 また、具体的な取り組み方針の中でも、就学前教育の充実をうたわれていますが、親の関与については触れられていません。当然、限られた紙面というスペースの中で、全てを網羅することはできないと思いますので、就学前教育における親の関与について、教育委員会としての考え方、また、対応等についてお伺いいたします。
 最後に、市民文化や芸術活動の振興についてお伺いいたします。
 文化・芸術は心を豊かにし、安寧と感動を人間どうしが共感し、つながり合えるものではないかと考えております。そんな点からも、当市の場合、さきらを拠点として発信される文化や芸術に、市民の皆さんには多くの共感をいただいていますし、また、市内の地域においては、地域で守られ継承されている伝統芸能や有形無形の文化財なども数多くあるまちです。しかし、人口増加と価値観の多様化、そして、情報のグローバル化に伴う現代において、さきらを拠点とした発信の限界、そして、地域においては伝統芸能や有形無形の文化財の継承が難しい状況にあります。このようなことをどう受け止め、どう対応されようとしているのかお伺いいたします。
 以上、栗東市民ネットワークを代表しての質問とさせていただきます。
 答弁、よろしくお願いいたします。
○議長(藤田啓仁君)
 答弁を求めます。
 市長。
○市長(野村昌弘君)登壇
 栗東市民ネットワークからの代表質問について、順次、答弁をいたします。
 まず、1番目の「はじめに」についてのご質問にお答えします。
 一点目の、市民の雇用実態や賃金実態、消費実態につきましては、市独自での実態調査は行っていません。
 雇用実態については、平成22年の国勢調査では、市内の非正規雇用率は33.2%で、滋賀県では35.5%、全国では34.2%であり、本市は比較的低い率となっています。なお、比較対象にはなりませんが、参考までに、平成26年度の滋賀県労働条件実態調査では、県内の非正規雇用率は38.3%となっています。
 賃金実態については、厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査の結果から、全国的には緩やかな増加傾向にあり、正規・非正規の賃金格差も徐々に減少してきてはいますが、まだまだ大きな格差があるのが読み取れます。
 消費実態については、総務省の家計調査の結果から、消費支出は、名目指数、実質指数ともに減少傾向にあります。このことは、物価高や社会保険料などの高騰による実支出以外の支出の増加等々、さまざまな要因が考えられます。
 二点目につきましては、総合戦略の実施に当たっては、それぞれの役割分担の中で施策を進めていきますが、組織横断的な連携や応援体制を図ることなどもあり、総合的かつ計画的な事業推進を行ってまいります。この進め方そのものが、私が常に申し上げています、「全員野球」のスタンスであると考えます。
 次に、2番目の「経済に安心を」についてのご質問にお答えいたします。
 一点目の、リーダーのタイプ選別につきましては、一概には申し上げられないものの、自分自身では、立場の垣根を越えて、ともに行動することを心がけています。自己評価については、ただ、ひたすらに取り組むのみであります。
 二点目の、トップセールスの成果と課題につきまして、成果としましては、企業のトップと率直な意見交換や情報交換を行うことにより、企業と行政の距離感が狭まり、相互理解が深まりました。このことにより、過去には市外移転も検討していたが、市内にとどまり、継続して操業いただいた事例もございます。
 課題といたしましては、トップセールスで得た情報を、いかに施策に効果的に反映させるかであります。今後は、庁内での情報共有と訪問企業へのフォローアップの強化に努めてまいります。
 また、総合戦略でお示しさせていただいているとおり、地域経済の好循環を期するべく、域内調達の拡大など、トップセールスを通して要請するなど、さらなる充実を図る所存であります。
 三点目の、誘致企業における市内在住者の雇用実態につきまして、LEJ誘致以降、栗東地域基本計画区域内に誘致し、現在、操業されている企業はLEJを含め6社で、本年1月末現在での総従業員数は974人です。そのうち市内在住者は163人で、16.7%の割合となっております。また、「新規常用雇用」を誘致の条件にすることにつきましては、求職者側の望む雇用形態もさまざまであることから、一律の雇用条件を付することは難しいと考えますが、可能な限り市内雇用や常用雇用に努めていただくよう要請してまいります。
 四点目の、商工振興ビジョンロードマップにつきましては、第五次総合計画や総合戦略と計画年次を整合するとともに、総合計画や総合戦略と同様、外部委員会による進行管理を行うものとしており、この経過は、適宜、公表していきたいと考えております。
 新年度におけるチャレンジショップ事業では、まず、社会実験として、栗東駅前のウイングプラザの空きテナントを活用し、5区画程度の小型ブースを設置し、チャレンジショップとして創業希望者に安価で入居いただき、創業のスタートアップ支援を行うものです。
 また、消費者ニーズ調査では、消費者や市民のニーズを的確に把握するとともに、事業者が消費者の生の声を聞くことで、直接的で具体的なニーズを把握したいと考えております。
 一方、ご質問のありました、調査期間の考え方としましては、これらの取り組みを継続的に実施することで、市民・消費者・事業者をネットワーク化し、消費者と供給者の継続的な意見交換の場としていくものであります。
 五点目の、今後の高齢者就労につきましては、現在、栗東市シルバー人材センターでは、人材派遣業務も展開され、平成26年度の契約金額は、前年度比66.6%増の3,523万6,000円となっており、受託事業収入と合わせた全体の事業収入の約19.9%を占めており、さらに「マロンばあばのおうち」などの独自事業に取り組まれ、高年齢者の就労拡大につながる事業展開をされています。
 市といたしましても、引き続きシルバー人材センターの事業支援を続けるとともに、ハローワークなど関係機関と連携し、高年齢者の就労に努めてまいります。
 六点目の、農業関連につきましては、本市では、将来の担い手確保や地域農業について、「人・農地プラン」の策定を推進しており、地元では休耕地の解消や農地の維持保全について、非農家も含め「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策事業」を活用し、取り組んでいただいております。また、最近では、地域の主催で休耕田を活用した「体験農業」を復活させることで、休耕地の有効活用や農業の持つ魅力に触れてもらうことにもなり、地元農産物の消費拡大など、波及効果が期待できることから、地元の取り組みに対し積極的に支援してまいります。
 七点目の、林業につきましては、今日まで、森林施業では、切り捨て間伐材が山地に多く放置されてきましたが、昨年7月に策定しました「公共建築物等における地域産木材の利用方針」に基づき、地域産木材を活用した紙製品の導入に努めるものですが、山に放置されてきたわずか15トンではありますが、紙材への間伐材利用は、広報紙等作成経費が上がるものの、山地災害防止や林業の活性化による経済効果など、森林の持つ多面的機能の促進にも寄与することは大であると思われます。
 八点目の、ホースパークプロジェクトにつきましては、本市には、全国に2カ所しかないJRAの競走馬調教施設である栗東トレーニングセンターが所在し、市内には、馬に携わる事業者、専門的知識を有する人など、さまざまな資源があると考えております。
 馬をはじめとするこれらの地域資源は、観光や福祉・医療、教育、レジャー・スポーツ、さらには就労など、多くの分野での事業展開の可能性があるものと考えており、今後、詳細について詰めていく中で、お示しをさせていただきます。
 九点目の、国民体育大会につきましては、栗東市をPRする大きなチャンスの場であると考えていますが、栗東市での開催競技については、本市希望の5競技は第一次内定に含まれず、現在、滋賀県開催準備委員会で第二次選定が行われ、7月中旬には結果が発表される予定です。開催競技が決定し次第、国民体育大会を、栗東市シティセールス戦略の一つとして活用していきたいと考えています。
 10点目の、ふるさとりっとう応援寄附金の事業メニューにつきましては、現在、8つの区分を設けております。今後は、魅力ある事業メニューを企画することで、個性豊かなまちづくりを推進するための事業に対して、寄附金募集も検討していくなど、寄附していただく方に魅力的なメニューとなるように努めていきます。
 次に、3番目の「子育てに安心を」についてのご質問にお答えします。
 一点目の、公営住宅につきましては、若者向けに限定した入居条件設定はなく、単身入居においても、60歳以上の方、あるいは障がいのある方など、限定的であります。しかし、若者流出の抑制や流入の促進につきましては、総合戦略の中での課題の一つでもあることから、市の住生活政策の方向性や施策展開のあり方、課題に対する取り組み内容などを示す、「栗東市住生活基本計画」が来年度見直し予定であり、公営住宅に限定せず、その可能性について検討してまいります。
 二点目の、卒業後の居住地アンケート調査の実施につきましては、本市では、そのような調査は実施しておりません。雇用環境を向上し、地域経済を活性化させるなど、市外へ転出された学生などの若者が、栗東市に愛着を持ち、市内に戻って就労したくなるような環境づくりが必要であると考えますことから、本市総合戦略の「まち」「ひと」「しごと」の各分野においてお示しをさせていただいており、個別具体の取り組みを展開してまいります。
 三点目の、各種学校等の誘致につきましては、若者人口の流入を図るうえでの一つの施策であると考えますが、まちの活性化につながる可能性はあるものの、定住には結びつきにくい現状もあり、現時点では検討しておりません。
 四点目の、児童虐待への対応につきまして、最も大切なことは、早期発見・早期対応であります。そのためには、虐待が起こる前の段階での兆候に気づき、少しでも虐待が疑われる場合は通告をしていただくことが重要であり、市では、引き続き要保護児童対策地域協議会を中心にした取り組みとともに、啓発にも努めてまいります。
 五点目の、適応指導教室支援員等の確保につきまして、児童厚生員については若干欠員が出ているものの、家庭児童相談員、学童保育常勤指導員、発達相談員、適応指導教室支援員については、定数を確保できています。また、学童保育常勤指導員につきましては、国の処遇改善事業等も有効に活用しながら、離職防止等の人材確保に努めています。
 六点目の、小学校や中学校などの広域的な避難所となり得る施設につきましては、文部科学省からの指導に基づいて、特に、天井の高さ6メートル以上かつ200平方メートル以上の大規模空間を有する体育館について、早急に非構造部材の耐震補強を行うことが喫緊の課題であることから、今年度実施しました。それ以外の施設につきましては、文部科学省が示している「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」に基づいて、地震対策については、大規模改造等に合わせて実施をしております。
 また、竜巻に対する対応につきましては、技術的知見がないため、現在のところ実施できている施設はございません。今後の課題として検討してまいりたいと考えます。
 次に、4番目の「福祉・健康に安心を」についてのご質問にお答えをいたします。
 一点目のご質問のうち、一つ目の、介護保険に係る施設の整備状況につきましては、広域の特別養護老人ホームについては、昨年末から公募を行い、1社の応募があり、整備事業者として選定しました。また、地域密着型サービスについては、2月1日より公募要項をホームページで公開し、2月末日から募集を行っています。
 二つ目の需要については、特別養護老人ホームの介護3以上の待機者が100名を超えており、グループホームも20名以上の待機者がおられることから、十分な需要があると思われます。
 三つ目のご質問につきましては、今後においても、介護保険事業計画を策定するに当たり、市民ニーズ調査の結果を重視し、市民の求めるサービスの充実が図れるよう努めてまいります。
 二点目のご質問の、介護職員の人材確保につきましては、全国的な問題であり、国レベルでの対策が必要です。
 介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対して、一定の条件のもとに、賃金改善のための資金として、介護報酬とは別に交付される介護職員処遇改善交付金制度や、修学資金貸付や介護体験、介護福祉士へのステップアップルート整備、(仮称)認定介護福祉士の創設など、若年層の介護業界への取り込みについての環境整備がなされており、これらの施策について、事業者等への周知に努めてまいりたいと考えています。
 三点目の、障害者雇用の実態と法改正による影響につきましては、本市では、平成26年7月に実施した企業訪問で、障がい者雇用の実態把握と促進を図る観点から、従業員10名以上の事業者249社に聞き取り調査を実施しております。この249社のうち、市内に本社がある従業員50人以上の企業は43社で、法定雇用率達成企業は20社、達成割合は46.5%で、全国平均44.7%をわずかに上回っています。
 なお、滋賀労働局が行った、昨年6月1日現在における障害者雇用状況報告の集計結果によりますと、県内に本社のある民間企業の法定雇用率達成の割合は、59.1%で、対前年比4.2%増で、全国平均の47.2%を上回っています。
 法改正による影響ですが、昨年7月と本年2月に実施した企業訪問で、障害者雇用促進法についての啓発も行ってきましたが、今後も継続して啓発を実施していくとともに、再度、雇用実態の調査を実施し、ハローワークと連携して、企業に対して必要な助言・指導等を行い、障がい者雇用の促進に努めてまいります。
 四点目の、作業所と企業の仕事発注のマッチング及び企業と障がい者とのマッチングにつきましては、いずれも市のほうではマッチングを行っておりませんが、作業所の受注機会の確保等の観点から、市内作業所の作業内容等を把握し、企業からの問い合わせに対応しており、障がい福祉課窓口に各作業所の概況を示すチラシを設置しております。
 また、ハローワークや湖南地域働き・暮らし応援センター「りらく」などの関係機関などと連携し、就労相談に来られた障がい者に対しては、その方に合った内職などの仕事や仕事の紹介などを行っています。さらに、ハローワーク草津では、毎年2回、湖南地域ハローワーク障害者就職面接会が、多くの事業所の参加のもと開催されております。こうした面接会への参加を促すことなどを通じ、就労につなげる支援を展開しております。今後も、引き続き障がい者の自立支援、とりわけ就労に関しては、庁内の横断的な連携はもとより、各種関係機関との連携を図りながら取り組んでまいります。
 五点目の、生活困窮者自立支援法に基づく、本市の支援員の体制につきましては、主任相談支援員の位置付けとして、課長補佐級1名を配置しています。支援体制を整えるため、年間を通して、ハローワークを通じて相談支援員の募集を行ってまいりましたが、採用には至らない状況です。今後も、引き続き募集を行い、相談体制を整えるよう努めてまいります。
 学習支援事業につきましては、国の任意事業に位置付けられており、栗東市社会福祉協議会へ事業委託を行っております。
 高校進学を目指す中学3年生を中心に、毎週金曜日、ゆうあいの家におきまして、学生ボランティア等の支援を受け、志望校合格に向けて取り組んでいます。
 学習支援については、勉強することのほかに子どもたちに居場所を提供し、社会とのかかわりを深めていくことを目的に取り組んでいます。
 次に、5番目の「暮らしに安心を」についてのご質問にお答えいたします。
 一点目につきまして、現在、9つの災害対策支部と災害対策本部との情報伝達手段は、支部に設置している移動系防災行政無線と、災害時優先携帯電話を各1機配備しており、これにより情報伝達を行います。また、市役所にある同報系防災行政無線と、市内72カ所の子局との直接通話が可能であり、広域避難所となっている市内小・中学校との情報伝達に使用できます。
 二点目の、JR栗東駅の新快速電車の停車につきましては、湖南4市で構成する湖南総合調整協議会において、毎年、JR西日本に対して要望活動を行っております。JR西日本からは、「新快速電車については、速達性を重視しており、停車駅が増えることにより速達性が低下する。現在の栗東駅の乗降者数では、新快速電車の停車は難しい。今後の利用者の状況により判断する。」との回答でありますが、要望実現に向けて引き続き取り組んでまいります。
 三点目の、水路沿いの転落防止柵につきましては、道路と水路底の高低差が70センチメートル以上の場合には設置するようにしています。また、水路の用途や隣接からの出入り、道路通行上の問題から設置できない場合は、道路と水路の区分を明確にできるように、反射板や路面表示により注意喚起が必要と考えます。
 最後に、6番目の「行政に安心を」についてのご質問にお答えいたします。
 一点目の、職員提案制度につきましては、職員の前向きな改革思考、事務改善意欲を養うための重要な制度であると考えており、昨年度策定を行いました、第七次栗東市行政改革大綱の中にも、その充実について、推進計画に位置付けています。また、現在までの提案状況につきましては、過去3年間で18件の提案があり、これまで正面玄関フロアの庁舎案内板の設置や、競走馬具等の展示の充実及びグッズの販売などが採用・実施に至っています。
 職員発想を具現化する体制としましては、組織横断的に取り組まなければならない課題が増える中で、組織横断的に意見・提案を述べる場を設定しながら、今後においても、職員が提案しやすい環境づくりに努めてまいります。
 二点目の、「電力小売全面自由化」に伴う市の電力の確保につきましては、市内一部公共施設において、既に入札を終え、4月1日より、電力料金削減と二酸化炭素削減のため、新電力会社への転換を図ることになっています。
 「ご当地電力」に見られる市のエネルギー政策につきましては、電力版の地産地消で注目されており、全国の事例で、今日まで多くはありませんが「ご当地電力会社」の設立も見られ、先日、滋賀県などの主催により、先進事例の講演もあったところです。「電力小売全面自由化」が、本年4月から始まる段階において、ご指摘の効果も見込まれますが、ビジネスモデルがまだまだ不透明であることなど、先進事例の状況を見極め、市としてのエネルギー政策の一つとして、広域での展開も含め可能性を調査していきます。
 電力自由化に係る市民への説明につきましては、他県では、国・県主催でなされたものがあると仄聞しますが、本市においては、その予定はありません。
 なお、価格面・環境面等個人の価値観により、選択が異なることから、比較サイトを紹介するなど、消費生活窓口と連携し、問い合わせに対応していきます。
 以上をもちまして、栗東市民ネットワークからのご質問についての答弁といたします。
 なお、教育方針につきましては、教育長からお答えを申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
○議長(藤田啓仁君)
 教育長。
○教育長(森本 明君)登壇
 続きまして、教育方針について、順次、答弁いたします。
 一点目の、不登校とは、年間30日以上の欠席のある児童生徒の中で、その欠席理由が病気、経済的理由、不適切な養育環境にあるなどの、その他の理由を除いた数になります。
 1月末現在、不登校の児童生徒は、小学校では約0.1%、中学校では約0.6%になります。これらの児童生徒につきましては、一人ひとりの課題が違うので、個別対応をする必要があり、そのための教員や支援員の確保が課題となっています。
 具体的な対応としましては、スクールカウンセラーとのカウンセリングや別室での指導を進めています。継続的な相談につきましては、児童生徒支援室で親子並行面接などを行い、子ども成長支援教室「あいあい」では、小グループでの関係づくり等を進めたりしています。さまざまな理由により、相談機関にかかれない児童生徒につきましては、教員が定期的に家庭訪問をする中で、学習支援や関係づくりに取り組み、子どもや保護者との良好な関係が築けるよう努力をしています。
 二点目の、フリースクール等につきましては、現在、我が国の制度では、フリースクール等を学校として認めてはいません。ただし、不登校の児童生徒がフリースクール等で学んでいる状況が明確であり、フリースクール等と学校、保護者とが連携できている場合に、出席として取り扱う措置をとっています。現在は、文部科学省においても、フリースクール等に関する検討会議を持たれている状況であり、本市においても、今後、指針等が示された際には、それを参酌し、検討してまいります。現在、市内に、フリースクールやオルタナティブスクールが存在することは把握していません。今後、フリースクール等が設立された場合には、文部科学省の指針等をもとに適切に対応していきます。
 三点目につきましては、障がいのある子どもたちと障がいのない子どもたちが、幼いころからともに学んだり生活することで、お互いを理解し、認め合い、支え合う心が育ちます。また、多様な人々が暮らしている地域社会において、自分の個性が周りの人に認められていると感じることができれば、誰もが安心して暮らしやすい社会が実現していくと考えています。そのような、真に一人ひとりが大切にされる社会を、インクルーシブな社会と捉えております。また、インクルーシブ教育は、障がいのある子どもたちと障がいのない子どもたちが、可能な限り、同じ場でともに学び合うことにより、両者にとってより充実した学びを提供しようとするものです。お互いが学び合うことによって、それぞれがともに成長していくという視点も大切なことだと考えております。そのために、障がいのある子どもも障がいのない子どもも、一人ひとりがその持てる力を最大限に伸ばし、自立して社会参加していけるよう、環境整備の充実も含め、教育を推進することが大切であると考えております。
 四点目の、就学前教育における親の関与につきまして、子どもの年齢が小さければ小さいほど大人の影響を受けやすく、就学前教育の充実には、保護者と園とが連携を深め、子どもの育ちと向き合い、ともに考えていくことが重要です。日ごろから保護者と園との信頼関係を築き、家庭におけるしつけや集団生活など、子育てについての研修や啓発等に努めています。
 五点目の、芸術文化の発信につきまして、拠点施設であるさきらでは、ホール等の貸館や自主事業により、年間20万人余りの施設利用があり、多様な芸術・文化活動の場となっています。
 また、平成28年度から、新たに美術部門への取り組みも加える計画があり、これまで以上の充実が図られます。このようなさきらの事業のほか、音楽振興会や文化協会などが展開する事業などにより、住民のニーズや価値観の多様化に対応したいと考えます。また、芸術・文化を核として、各種団体との連携事業につきましても、より広範囲に進めてまいりたいと考えています。
 伝統芸能等や有形・無形文化財の継承につきましては、引き続き、国・県・市の指定文化財管理事業補助金や無形民俗文化財保存活動育成補助金を活用しながら、「市文化振興計画」に沿って、伝統芸能等の有形・無形文化財の継承に努めてまいります。
 以上をもちまして、栗東市民ネットワークからの教育方針へのご質問についての答弁といたします。
○議長(藤田啓仁君)
 13番 田村隆光議員。
○13番(田村隆光君)
 ありがとうございました。
 これで栗東市民ネットワークの代表質問を終わります。
○議長(藤田啓仁君)
 以上で、栗東市民ネットワークの代表質問を終わります。

powered by QHM 6.0.9 haik
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM