2023年6月26日
文教福祉常任委員会の審査の経過と結果をご報告申し上げます。
当委員会は、休会中の6月26日に開催し、今定例会において付託を受けました請願書2件について審査を行いました。
説明のために出席を求めた者は、教育長、関係 部長・課長であります。
それでは、報告を行います。
請願書第2号 難聴と認知症防止のため補聴器購入の助成制度を求める
請願書について
まず、本請願に関し、提出者から当委員会に対し、請願の趣旨説明があり、当局から参考説明を受けました。
その後、委員より
請願書に記載の健康診断の難聴検査項目を入れ、加齢性難聴のデータ把握については今のところ実施していないのか。
との質疑に対し、
40歳から74歳の国民健康保険の被保険者を対象としている特定健診については、生活習慣病予防のための健診としているため聴力検査は実施していない。また、75歳以上を対象に滋賀県広域連合が実施している後期高齢者の健診においても、聴力検査を実施しているところはない。
との答弁がありました。
また、委員から
データ把握する点では聴力検査が1番大切である。今後、市として聴力検査を実施するということはないのか。
との質疑に対し、
特定健診については、生活習慣病の重症化を予防するための目的で実施されおり、厚生労働省からの検査項目が指定されている。その中で聴力検査については、検査項目に加えるよう、国に対し要望を行っている。制度的な問題もあるが、内科を中心に受診いただいてるところに、聴力検査を加えることについては医療体制の確保も一つの課題と考えている。
との答弁がありました。
質疑ののち、委員から
請願書の趣旨は賛同できるが、公的補助制度の創設として、国・県に要望いただいていること。また、年間4,000万の費用負担といった財源の問題もあることから、本請願については趣旨採択してはいかがか。
との動議が提出され、質疑の後、討論はなく、採決の結果、全員一致で趣旨採択すべきものと決しました。
次に
請願書第3号 中学卒業までの医療費の早期無料化を求める請願書について
委員より
中学生までの医療費を無償化するのにどれくらいの財源が必要なのか。
との質疑に対し、
中学生が約2,200人を想定しており、その中で医療費助成制度の事業費としては概算で4,000万円ほどを見込んでいる。
との答弁がありました。
また、委員より
昨今の社会情勢により家庭ごとの所得格差が大きくなっている。所得格差が子供の医療格差に繋がってはならないと思うが見解は。
との質疑に対し、
家庭の所得格差により子どもの受診を控えることはあってはならないと考えている。
との答弁があり、さらに委員から
人口流出が課題として取り上げられている中で、湖南4市のうち栗東市だけが助成制度で遅れをとることで将来に影響すると思うがどのように考えているのか。
との質疑に対し、
人口流出の原因が子ども医療ということについては推測の域を超えない。人口流出を防ぐため、市として包括的に取り組んでいる。
との答弁がありました。
また、委員より
守山市が10月から中学生までの医療費が無償化されることになると、栗東市がこの部分で遅れていると印象づけられる可能性があるので、市長の公約、所信表明にもあるので、しっかりと前向いて考えていただきたいが見解は。
との質疑に対し、
地域間で学年の差や時期的な差が生じた場合は差をできるだけ小さくしていく必要があると考えている。
との答弁がありました。
質疑ののち、委員から
趣旨は十分理解しているが、実現性という面で考えるとなかなか難しい。近隣市でも実施されていることではあるが、財源による差もあるため、今後の県の動向も見据えながら、まずは病気にならないよう健康予防を家庭や学校で指導してもらい、本請願書については趣旨採択としてはどうか。
との動議が提出されました。
委員から
医療の格差が、地域によってあってはならない。野洲も守山も実施を予定されている中で、栗東市が遅れてしまうことは栗東の市民の健康が脅かされることにもつながる。栗東市の将来のため、採択とするべきである。
との意見がありました。
意見の後、討論はなく、動議については賛成少数で否決されました。
動議の審議の後、請願書第3号については討論もなく、採決の結果、賛成多数で採択すべきものと決しました。
以上をもちまして、当委員会に付託されました案件に対する審査結果の報告といたします。
よろしくご審議いただきますようお願いいたします。